Beedol2号の初"有人"フライト試験を実施しました!


  屋内飛行試験は各務原空宙博のイベントテントにて


 まっすぐな筒状ボディで剛性をアップしながらも軽量化したBeedol2号が完成しました。CFRP製ボディと翼の重量は57.5kg!目標の60kg以下を完全にクリアしました。

 そして2025年2月、「飛行機好きの聖地」である岐阜県各務原市の空宙博にて、Beedolプロジェクト初の”有人”試験飛行を実施しました!
 すぐ隣には日本最古の飛行場である岐阜基地があり、"空"と縁のある素晴らしい環境です。

 有人フライトの様子を動画にまとめましたのでぜひご覧ください。


 eVTOLは極低空飛行を行うと、プロペラの風が地面に当たって気流が乱れ姿勢が不安定になるので、少々フラフラする場面もありますが、これだけ狭い空間でもホバリングできた事、そもそも当社のような零細企業にeVTOLが開発できた事に価値があると思います。

 長期間に渡って行いました、77kgのダミー人形を搭載しての飛行試験も説明付き動画にまとめましたので、こちらもぜひご覧ください。



ネットで覆ったイベントテント  今回の屋内有人飛行試験は、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館の敷地内にあるイベントテントの四方を防護ネットで覆って行いました。

 イベントテントの図面からぴったりサイズの防護ネットをオーダーして取り付けています。

 屋内試験場のサイズは22m四方で天井高は7mほど。当初は充分なサイズと思っていましたが、ホバリング中に近くに立っていると地面に当たった風をびゅうびゅう感じましたので、やはりもう少し高度を取りたかったですね。

ローブ係留したBeedol  試験のほとんどは私と体重を合わせたダミー人形を搭載して実施。何十回も飛ばしながらパラメータ調整を行います。撮影用のフライト以外はロープ係留して実施しています。

 試験序盤は平均風速3m~4mの日が続き、機体の安定性が風の影響なのかパラメータの追い込み不足なのか判断が難しく難航しました。

 3日目くらいにほぼ無風の日があり、一気に調整が進み、飛行させやすくなりました。

 報道陣への公開は事前に日時を決めなければいけないので、各社の天気予報とにらめっこして2025年2月25日11時と決定!
 天気ひとつで中止になる緊張感で直前の3連休はまったくリラックスできませんでした。

Beedol有人フライトの囲み取材  初めての囲み取材。無事に飛べるのかとテレビ取材の緊張が混ざり、何をしゃべっているのか判らなくなっちゃいます。

 充分に試験飛行を重ねてきましたが、ライト兄弟やリンドバーグの挑戦がそうであったように100%安全とは言い切れませんので、コックピットに乗り込んでキャノピーを閉じられたときは心臓バクバク。
 宇宙飛行士の打ち上げ前の心境を体験できました。

 そしていざ垂直にテイクオフ!! ホバリング中のBeedol

 「プロペラ音がすごいのではないか?」「振動の人体への影響は?」といった懸念はまったくの杞憂で、コックピット内は静かでハンモックで揺られているような最高の乗り心地でした。

 遂に夢が叶いました!

 ここまで2年間、機体を完成させるのももちろんですが、飛行の許可をもらったり資金のやりくりなど本当に多岐にわたる困難があり、何度も心が折れかかりましたが、ここまで来られたことは本当に自信になりました。

 僕の好きな言葉の「恋して泣けるエンジニア」になれた気がします。仕事で嬉し泣きしたのは初めてでした。
 エンジニアという職業を選んだ15才の自分に感謝!!


 今後は機体番号の取得と屋外での飛行申請を進め、背景のキレイなプロモーション映像を作成したいと思います。

 白銀技研では一緒にBeedolを開発する仲間を広く募集しています。勤務地の自由度も高めていきます。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせよりご連絡ください(応援メッセージもお待ちしています!とても励みになります)

 さて当ホームページですが、今春くらいにリニューアルを予定しています。
eVTOLという次世代モビリティを紹介しているのに、つくりがクラシックすぎました。

 ということで、こんな感じのおしゃべり口調のフランク文章ともお別れかも知れません。残り時間わずかかもですので、ぜひBeedolの『活動記録』を楽しんでください。