モーター推力試験


  モーター、プロペラ、バッテリーを決めてテストしよう

垂直モーターテスト台
 有人ドローンを作るにあたり、充分な推力のモーターとプロペラ、バッテリーが入手できなければ話になりません。
  まずは純国産にこだわり、国内のモーターメーカーを探しましたが満足のいくモーターが見つかりません。国内メーカーの1社に飛び込んで、カスタムでのモーター試作をお願いしましたが、「うちも工場は中国なんだよね」という言葉が決定打となり国産を断念。世界に目を向け期待する出力のモーターとバッテリーを探し、ついにBeedolに適合しそうな海外のモーターメーカーを見つけました。

 さらにメーカー担当者と打合せを重ね、結果的にBeedol用にカスタマイズしたオリジナルモーターとオリジナル容量のバッテリーを作っていただき採用しました。

 モーターとプロペラ、バッテリーの入手の目途がたったので、推力のテスト方法を考えます。一般的に推力の試験はモーターを水平に取り付けてテストします。この方法だとモーターや固定部品の重量を無視できて良いのですが、「より実使用に近い形でテストしたい」「プロペラが手の届かない高い位置にあれば安全」という考えから、垂直固定型のテスト台をデザインしました。

  モーターテスト台を作ろう

垂直モーターテスト台  地元の鉄工所に図面を持ち込み、鉄アングルでがっちりとしたモーターテスト台を作成しました。見てください、今にも飛び立ちそうなカッコよさです(笑)

 本当に飛び立つと危ないので、床にコンクリートアンカーで固定しました。上方向に働くモーター推力は中央付近のクレーンスケールに表示されます。
  

  推力表示の説明

垂直モーターテスト台  垂直固定のテスト台ですので、スライド台とモーター重量をクレーンスケールの表示に足す必要があります。

 少々画像では見にくいのですが、スライド台をヒモで上に持ち上げたときに上側クレーンスケールが39.3kg、下側クレーンスケールが25.0kgを示しています。
 この差分がスライド台とモーターの重量ですので、
  39.3-25.0=14.3kg
 となります。

 ということで測定する際には、クレーンスケールの表示に14.3kgを足したものがプロペラ推力となります。

 推力55.0kgを目指しているので、クレーンスケールが【40.7kg】を示してくれれば実験成功です。
  

  実測!!

 さあそれでは実測です。モーターにバッテリーを接続して無線制御で出力を上げていきます。



 見事にスロットル100%近くで推力55kgを達成しました!これで空飛ぶクルマ作りを続けられそうです。

 と、ここで改めて動画を見てみると40.6kgが最高でしたので最大推力54.9kgですね。当時は興奮していて喜んじゃってます。後日改めて何回か計測して推力55.0kgが確実に出ることを確認しました。

 このモーターを8個搭載予定ですので、最大440kgまでの機体を持ち上げることが理論上可能です。ただモーターを制御する余裕が必ず必要ですので、目指す機体重量はこの半分程度を目指します。